2026年度理事長所信

2026年度理事長所信

はじめに

遡ること9年前、2017年6月に私は泉青年会議所へ入会いたしました。前年は前職の関係で関東は東久留米におりましたが、生まれも育ちも仙台市泉区、自然豊かな環境と温かい人々に囲まれて育った私にとって、泉は常に心の拠り所であり、かけがえのない存在でした。

社会人となり一度は泉を離れて生活をしていた私ですが、父から「会社に入らないか」と声をかけられ、言われるがまま泉へ戻りました。程なくして、泉青年会議所のメンバーが訪ねて来られ、「一緒に活動しないか」とお誘いいただきました。父が歴代理事長を務めていたこともあり、幼い頃から青年会議所の存在を身近に感じていた私は、迷うことなく27歳で入会を決意いたしました。

初めて理事会に参加した日のことは、今でも鮮明に覚えています。緊張感に包まれた空気の中、同世代の仲間たちが地域の未来を真剣に語り合い、時に激しく意見をぶつけ合う姿に、大きな衝撃を受けました。それは、自分がいかに狭い世界で生きてきたかを痛感させられた瞬間であり、同時に「この場所でなら必ず成長できる、地域のために力を尽くせる」と確信した瞬間でもありました。

私はこれまでの人生の多くをこの地域で過ごし、この地域を心から愛し、これからもこの地域と共に生きていきたいと願っています。私の大きな夢は、この愛してやまない地域の魅力を県内外へ広く発信し、ここに暮らす人々が自ら大きな夢を描ける、希望に満ちた未来を築くことです。この思いを実現するためには、泉青年会議所が地域から信頼され、共感される存在であることが不可欠だと心から思います。

泉青年会議所で得た学びと仲間との出会いに深く感謝し、私を育んでくれた地域への恩を胸に、「夢を語れる地域」の実現を目指し、1年間全力で運動を推進してまいります。

ブランディングから始まる新たな会員拡大

ブランディングから始まる新たな会員拡大

今日の泉青年会議所がこれだけ規模が大きく、魅力溢れる組織となれたのは、先輩諸氏の皆様がその礎を築いてくださり、今もなおその精神が脈々と受け継がれてきているからだと確信しております。地域に大きなインパクトを残す運動を起こすためには、運動の質の向上はもちろんのこと、それを支える仲間の存在が不可欠です。

仲間が増えることは、すなわち運動の可能性が拡がることを意味します。新たな仲間を迎え入れ続けるには、時代や価値観の変化に応じて、泉青年会議所の魅力を的確に伝え、共感を生み出す「ブランディング」が欠かせません。

本年度は、泉青年会議所の存在意義や活動の価値を広く発信することで、共に夢を語り、地域の未来を創り上げていける仲間を迎え入れてまいります。

全員が同じ志を持ち、互いに力を合わせて組織のブランド価値を高めていくことで、必ずや新しい同志を迎え入れ、組織の勢いをさらに強めます。

そして、ブランドが向上し、その魅力に共感した人々が自然と集まってくることこそ、私たちが目指す理想の姿であります。本年度は「ブランディング拡大」を旗印に、泉青年会議所一丸となって力強く前進してまいります。

楽しさから未来に向けたアカデミー

新たに仲間となる新入会員にとって、青年会議所の理念や活動は初めて触れるものばかりです。そのため、まずは「知ること」から始めることが必要です。青年会議所とはどのような組織なのか、どのような歴史や目的を持ち、どのような仲間が集っているのかを理解していただくことが大切です。

そして、理解の先にこそ、主体的な活動への一歩が生まれると考えます。新入会員が青年会議所という組織に馴染み、楽しく活動できる環境づくりが必要です。

そのなかで、机上の理論だけでなく、実際に事業を企画し、運営に携わり、仲間と力を合わせてやり遂げる経験こそが、青年会議所の醍醐味であり、個々の成長を支える基盤となります。そこには時に困難も伴いますが、それを乗り越えた先にある達成感と学びは、新入会員にとってかけがえのない財産となるはずです。

そして何より、仲間と共に活動を「楽しむ」ことが大切です。志を同じくする仲間と出会い、共に汗を流し、笑い合い、支え合うことが、青年会議所活動の根幹です。経験が、仲間との強い絆を育み、今後の活動における原動力となります。

「馴染む」「楽しむ」「学ぶ」という三本柱を軸に、新入会員一人ひとりが青年会議所の魅力を体感し、地域に貢献する人財として成長できるよう全力で取り組んでまいります。

地域に価値を還元する会員研修

青年会議所は「大人の学び舎」とよく言われます。実際、自らの成長を求め、地域の明るい未来を実現するために活動しているメンバーは数多く、その姿勢は紛れもなく尊いものです。

しかし、その活動の背景には家庭や仕事といった一人ひとりの生活基盤があり、地域や社会、そして次世代を担う子どもたちのための運動も、家族や会社の理解と支えがあってこそ成り立ちます。

そこで本年度は、まず青年会議所の理念への共感を土台に、メンバーが安心して活動に取り組める環境づくりを重視します。そのうえで、地域に効果的な運動を展開していくためには、事業の背景・目的・手法・効果を正しく理解し、学びとして自らの成長につなげることが不可欠です。

研修は、単なる知識の習得にとどまらず、青年会議所の活動を通じて「考える力」「行動する力」「仲間と協働する力」を養う場です。会員一人ひとりがリーダーとして成長するための貴重な機会であり、研修で得た学びを実践へとつなげることこそ、青年会議所の真価であり、地域に大きなインパクトをもたらす運動の原動力となります。

私たちは本年度、理念への共感と家庭や仕事といった生活基盤を大切にしながら、研修事業を通じて学びと実践の場を提供します。一人ひとりが自己成長を遂げ、泉青年会議所全体の力を高めることで、地域の未来を切り拓く力強い運動を生み出してまいります。

夢語れる地域を目指したまちづくり

夢語れる地域を目指したまちづくり

泉青年会議所の活動エリアは、泉区、富谷市、大和町、大郷町、大衡村の1市1区2町1村と広域に及びます。近年、私たちの住む地域では、豊かな自然や歴史、文化といった多くの魅力がありながらも、それらが「当たり前」として受け止められ、住民自身が十分に意識できていない現状があります。さらに、人口流出や若年層の地域離れにより、地域への誇りや愛着が希薄化していることも否めません。

私たちが目指すのは、この1市1区2町1村それぞれの魅力を地域に住む方々に改めて認識していただき、地域への誇りと愛着を育むことです。市民一人ひとりが自らのまちを「誇れるまち」と感じることができれば、我々だけでなく多くの方が主体的に地域の魅力を発信してくれます。まさにその連鎖こそがシビックプライドの醸成であり、地域全体の活力を高める力となります。

本年度は、活動地域全体の現状を調査研究し、地域ごとの魅力と課題を本質的に捉えたうえで、市民に誇りと愛着を育む効果的な運動を展開してまいります。

さらに、これからのまちづくりには、地域資源を生かした持続可能な発展や、デジタル技術の活用、そして行政や企業、市民が共に考え行動する「共創」の姿勢が欠かせません。我々はそうした最新のまちづくりの考え方も取り入れながら、市民の心に火を灯し、「ふるさとを誇りに思える」という想いを広げていくことで、地域の未来をより豊かで力強いものにしてまいります。

地域の夢を育む青少年育成

現代の青少年は、急速なデジタル化に伴い、SNSや動画配信などに過度に依存する傾向や人間関係の希薄化、将来への不安など、多様で複雑な課題に直面しています。学力や情報は容易に得られる一方で、挑戦心や協調性、自己肯定感といった人間力が十分に育まれにくい環境にあるのが現状です。

我々はこうした時代の変化を真摯に受け止め、青少年が自らの可能性を信じ、困難に立ち向かえる力を身につけられるよう導く役割を果たさなければなりません。

そのために、私たちは体験型事業を通じて、仲間と共に学び合い、失敗や葛藤をも成長の糧とし、困難を乗り越える力を培う場を提供します。そこでは一人では得られない気づきや支え合う喜び、仲間との強い連帯感が生まれ、次世代を担う青少年が地域や社会に貢献できる「確かな力」へと成長していきます。

さらに、地域・家庭・学校と緊密に連携し、対話と共感を大切にすることで、青少年が自ら考え、主体的に行動し、社会の一員として責任を果たせる人財へと育つことを目指します。我々は、次代を担う彼らが夢と誇りを抱き、地域の未来を創造する原動力となることを願い、持続可能な地域社会の実現へと歩みを進めてまいります。

ブランディングから地域に拡げる広報

近年、驚くべきスピードで変化する情報化社会において、多くの人々を巻き込み運動を展開するためには、戦略的かつ効果的な情報発信が不可欠です。我々もホームページやSNSを通じて発信を続けていますが、青年会議所の認知度は依然として十分とは言えません。どれほど素晴らしい事業を行っても、その価値が社会に伝わらなければ大きな運動にはつながりません。現代は情報が氾濫し、受け手が自ら取捨選択する時代です。

そのなかで必要なのは、ターゲットを明確にし、共感を得られるメッセージを届けること、そして私たち自身の存在価値を一貫して示し続けることです。泉青年会議所の運動が「どのような理念に基づき、どのような未来を描こうとしているのか」を社会に示すことは、新たなブランディングの取り組みであり、組織への信頼と共感を育む基盤となります。

これまでの広報活動を分析し、デジタル技術や動画・ビジュアル表現を積極的に取り入れると同時に、統一されたデザインや言葉遣い、シンボルの活用によって、泉青年会議所らしいアイデンティティを確立してまいります。さらに、受け手が「泉青年会議所と関わりたい」と感じられる仕組みを構築することで、地域社会における確固たる存在感を築き上げます。

常に受け手の視点に立ち、選ばれる情報発信と一貫性のあるブランドイメージを発信することで、共感と参加を拡げ、地域に根差した運動を力強く推進してまいります。

新たな交流から夢拡がる渉外

現代社会は地域単位だけでなく、広域的かつ国際的なつながりの中で発展を続けています。その中においては、対外的な交流を通じて新たな知見や価値観を取り入れ、運動の発展へとつなげていく必要があります。

青年会議所は全国各地、さらには世界各国にネットワークを持つ組織です。このスケールメリットを最大限に活かすことで、私たちは地域の枠を超えた学びや連携を実現することができます。他地域の先進的な取り組みを共有し、自らの地域に応用することで、泉青年会議所の運動をより効果的かつ持続的なものへと高めていきます。

そして、対外活動は単なる連携にとどまらず、自らの視野を広げる貴重な学びの機会でもあります。我々は、会員が積極的に交流に参加できる環境を整え、出会いを通じて得た気づきや学びを組織全体に還元してまいります。その積み重ねが会員一人ひとりの成長を促し、ひいては泉青年会議所全体の力強い発展へとつながります。

泉青年会議所の魅力を積極的に対外へ発信するとともに、外からの力を柔軟に取り込み、スケールメリットを活かした持続可能で力強い運動の実現を目指します。

組織を動かす原動力となる総務

青年会議所の運動はすべて会議から生まれます。理念を共有し、課題を見つけ、解決策を導き出し、合意形成を図る。そうした一連の営みが運動へとつながり、地域に新たな価値をもたらします。ゆえに、会議の質は組織の力そのものであり、私たちが最も大切にすべき基盤です。

また、効果的かつ効率的な会議運営こそが組織力を最大限に発揮する鍵であると考えます。徹底した事前準備、明確な論点整理、そして厳格なルールに基づく進行は、組織の規律を守り、議論の質を高めます。同時に、変化の激しい時代においては、既存の規定やルールをただ守るだけではなく、必要に応じて柔軟に見直し、改正していく姿勢も忘れてはなりません。

会員一人ひとりの時間は有限であり、その積み重ねこそが私たちの運動の土台です。だからこそ、その時間を尊重し、建設的で有意義な議論が展開できる環境を整えることが、組織の責任であり、未来を託される青年の使命でもあります。 会議の在り方を不断に問い直し、その質を高めることで、規律と効率を兼ね備えた組織を実現してまいります。

結びに

我々が青年会議所で活動できる時間は、40歳までという限られたものであり、決して長くはありません。だからこそ、その短い時間で何を学び、何を考え、そして何を地域に残すのかが問われています。

幼い頃、当たり前のように語っていた「夢」という言葉は、成長するにつれ、次第に口にすることが少なくなってしまいました。しかし、我々青年世代が夢を語らずして、この地域に明るい未来が訪れることはありません。

今、青年会議所に属する私たちには、夢を語る責任があります。自らの夢を語り、地域の夢を語り、現状を超える未来を描くこと。それこそが、青年の特権であり、使命であります。

限られた時間だからこそ、あらゆることに全力で挑まなければなりません。我々が地域の未来に希望を描き、仲間と共に歩みを進めるとき、必ずや夢あふれる地域の実現へとつながります。

全員で、全力で、夢に挑戦してまいりましょう。

2026年度理事長 本郷大貴