2022年度 理事長所信

はじめに

2015年に私は33歳で入会しました。入会当初は青年会議所のことは何も分からず、明確な入会動機もない状態でしたが、初めて参加した理事会で侃々諤々と議論を交わす会員の姿が強く印象に残り刺激を受けたことを覚えています。当時に比べると今は青年会議所の使命を理解し、自身の目的が明確になり、物事の本質を捉えられるようになりました。それは青年会議所の中だけでなく社業にも活かせており、泉青年会議所での機会や仲間のおかげで自分自身が成長出来ていると強く感じております。

1974年に泉青年会議所は「青年の英知と勇気と情熱を結集して、地域社会の正しい発展と福祉の向上に貢献することによって、明るい豊かな社会を実現し、世界の繁栄と平和に寄与すること」を目的に設立され、これまで先輩諸氏が社会課題の解決に向けて率先して行動し、多くの人々の共感を生む運動を行ってきました。

2020年以降、新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るい、新しい生活様式が推奨され、日々の生活や働き方は大きく変わり、私たちの住み暮らすまちも、相次ぐイベントの中止をはじめ様々な機会が失われました。このような時代だからこそ、我々は青年会議所の三信条である「修練・奉仕・友情」のもと会員の成長を促し、想いを一つにすることで、明るい豊かな社会の実現に向け挑戦し続けなければなりません。これからを担う世代として、多様性を活かし、何事も前向きに捉えながら青年らしく果敢に挑戦し誰もが輝ける持続可能なまちを創造していきましょう。

3本の柱で運動を展開

2022年度は3本の柱を打立て挑戦して参ります。

1つ目の柱は「10年連続33%会員拡大」です。泉青年会議所は2013年度以降9年連続33%の会員拡大を達成しております。我々青年会議所は40歳になる年で卒業を迎えるため、継続的な会員の発掘がなければやがて組織は消滅してしまいます。しかし、会員の拡大は泉青年会議所の存続だけを目的とし行うものではありません。青年会議所の使命である意識変革を遂げさせるための能動的な機会を提供するために行うのです。

入会の動機は様々ですが、青年会議所という組織に関わってみようという形で入会候補者の意識を変革させるのです。対外事業によって市民の意識を変え、社会に良い影響を与えることも重要です。しかし、対象者の市民が我々の同志になってくれれば、対外への影響力は計り知れないものがあるのです。10年連続の会員拡大は決して容易ではありません。会員全員が自分事として組織一丸となって会員拡大を進めて参ります。

2つ目の柱は「誰もが輝く組織と個人の成長」です。2020年以降、新型コロナウィルス感染症により社会全体が大きなダメージを受けましたが、そのような状況の中だからこそ、我々が英知と勇気と情熱を結集して、地域社会の正しい発展と福祉の向上に向け率先して行動をし続けなければなりません。そのためには、誰もが輝ける組織の在り方と会員一人ひとりの意識向上と成長が必要不可欠です。会員一人ひとり、個の力が成長することで組織力の底上げになりそれがより良い運動を展開する力となり、家庭や社業により良い変化を生み出すのです。

3つ目の柱は「地域と共に持続可能な社会へ」です。今、未来に対して不安や悩みを抱えている企業や市民も少なくありません。多くの人が未来を意識する時だからこそ、持続可能な目標達成へ向かう機会です。持続可能な社会に向けて私たちJAYCEE(※2)が、未来を信じて地域を描き、未来に確かな可能性を与え、更なる広がりを生み出す起点を創り出し持続可能な開発目標であるSDGsの目標達成に向けて推進をして参ります。地域の活性化は私たちだけで成しえるものではありません。これまで築き上げてきた行政、関係諸団体との連携をより深め、持続可能な地域の実現に向けて、すべての人が自分らしくいきいきと暮らせる社会に繋げて参ります。

組織一丸となって挑戦する会員拡大

近年、全国的に会員の減少が進んでいる中、泉青年会議所は2013年度より9年連続33%の会員拡大を達成しております。これはこれまでのトップの決意と拡大担当委員会、そして会員一人ひとりが情熱をもって諦めずに行動したから成し遂げられてきました。

何故、会員拡大を行わなければならないのでしょうか。会員が増えなければ地域から泉青年会議所が消滅してしまうから、会員がいないと事業が実施できないから。もちろんそれらもありますが、我々青年会議所はJCI Missionにある通り、「より良い変化をもたらす力を青年に与えるために発展・成長の機会を提供すること」を使命としています。地域社会の課題に対して誰よりも主体的に考え行動を起こすことができ、地域の継続的な発展に寄与する人財へ成長し、自律的に行動をする人財が1人よりも10人、10人よりも100人と多ければ多い程社会にインパクトを起こす大きなエネルギーとなります。

そして、会員数の増加は、地域に対する私たちの活動・運動の影響力を増幅させ、地域の未来への可能性を広げることに繋がります。また、新たな仲間は、会員や組織に新たな価値観や刺激をもたらし、組織の活性化にも繋がります。2022年度も会員一人ひとりが会員拡大への意識を高め、拡大の意義を理解し自分事として情熱と気概をもち組織一丸となって拡大を進めることで、必ずや33%会員拡大を達成いたします。

物事の本質を捉え発展させる人財

会員の増加とともに課題として挙げられることは、青年会議所という組織の在り方と組織力、そして個の力です。泉青年会議所は近年、会員拡大に成功していますが、一方では入会歴が3年未満の会員が半数を超えている現状もあります。これはこれまでの会員拡大の成果でありますが、これまで先輩諸氏から紡がれてきた伝統や仕組み、我々の存在意義についての理解の低下に繋がる可能性もあります。

青年会議所の使命は「より良い変化をもたらす力を青年に与えるために発展・成長の機会を提供すること」です。青年会議所に入会することで、発展・成長のための個人の機会、地域の機会、国際の機会、ビジネスの機会が全員平等に与えられます。入会した動機は人それぞれですが、様々な分野や年齢、職種、立場が異なる多様な人たちが、輝く個となるために、青年会議所の本質を学び、自分自身がどのように成長したいのかを考え、理想に向け自分自身を磨き上げることが必要です。青年会議所で学ぶことで、自らが成長し、自分自身と周りの方々を豊かにすることができる。誰もがそう感じることができる組織となれば、自ずとより良い組織へと変化し続けるはずです。

個の力が成長することでより強い組織となり、組織が更に個の力を成長させ、それがより良い運動を展開する力となり、ひいては会員自らの社業の成果にも繋がっていくのです。個の力と組織力の好循環こそ、青年会議所の大きな強みとなります。自ら目標を見つけて行動を起こし、他の人を突き動かすアクティブシチズンへと成長させること、社会で活躍できる人財を輩出し続けることが青年会議所の使命です。物事の本質を捉え、地域で活躍し社業を発展させる人財を育成します。

地域と共に誰もが輝く持続可能なまち

泉青年会議所は仙台市泉区、富谷市、大和町、大郷町、大衡村の30万人を超える市民が住み暮す1市1区2町1村を活動エリアにしております。この地域は役所や文化施設をはじめとする多様な機能が集約し都市機能を持つ一方、広大な山林や水辺、泉ヶ岳や七北田川、吉田川といった四季を通じて楽しめる豊かな自然環境と開宿400年の富谷宿などの歴史・文化資源といった魅力が数多く存在し、仙台市のベッドタウンとしても発展を遂げています。

しかし、まちに住み暮らす人々がその魅力を知る機会が十分とは言えず、地域の魅力を伝えるまでには至っておりません。地域の魅力や歴史を知り、地域の課題を明確にし、多くの地域の人と課題解決に向けて行動し、それぞれが地域の魅力を幅広く発信することが必要です。この多様性の時代において、様々な属性の違いを認め合い、強みに変えるダイバーシティの要素を取り入れこれまでの産官学民との連携をより強固にし、多くの人を巻き込むという観点でまちづくりを実践し、多様な価値観と地域資源を活かすことで、まちの魅力を地域に浸透させていきましょう。

また、2019年にJCI日本の総会でSDGsの推進が採択をされ、我々、泉青年会議所もSDGs推進団体の一つとなりました。SDGsは、持続可能なより良い社会を目指し、地球上の誰一人として取り残さないことを誓っています。現在では多くの企業がSDGsに関心をもち、若い世代を中心に認知度は高くなっていますが、内容についての理解の浸透は十分ではありません。まずは多くの方に当事者意識をもっていただくことから始めます。身の回りの小さなこともSDGsに繋がっているのだという意識を地域へと伝え、誰もが輝ける持続可能なまちの実現に向け取り組んで参ります。

未来を創りだす人財の育成

AIやビッグデータ、IoTといった先端技術が高度化してあらゆる産業や社会生活に取り入れられたSociety5.0時代が到来し、社会の在り方そのものが既存の変化とは異なり非連続と言えるほど劇的に変わる状況が生じつつあります。このように急激に変化する時代の中だからこそ、未来を担う子どもたち一人ひとりが、自分の良さや可能性を認識する必要があります。

そして、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、持続可能な社会の創り手となることができるよう能力・資質の育成が求められます。それは、文章の意味を正確に理解する読解力、情報を読み取り見方・考え方を働かせて自分の頭で考えて表現する力、対話や協働を通じて知識やアイディアを共有し新しい解や納得解を生み出す力、自然環境や資源の有限性、貧困、イノベーションなど、地域や地球規模の諸課題について自らの課題として考え、持続可能な社会づくりに繋げていく力です。

また、豊かな情操や規範意識、自他の生命の尊重、自己肯定感・自己有用感、他者への思いやり、対面でのコミュニケーションを通じて人間関係を築く力、困難を乗り越えものごとを成し遂げる力、公共の精神の育成等を図るとともに子どもの頃から体力の向上、健康の確保を図ることはどのような時代であっても変わらず重要です。予測困難な時代であるからこそ、目の前の事象から解決すべき課題を見いだし主体的に考え未来を創る人財へと子どもたちを導いて参ります。

組織の認知度と存在価値を高める効果的な広報

我々は地域をより良くするために様々な運動を続けておりますが、泉青年会議所がどのような組織で何を目的にどのような事業を行っているかを知らない市民も多く、認知度は低いのが現状です。世界中にインターネットが張り巡らされ、ソーシャルメディアであるSNS等情報発信の手段が多様化していく中で、我々はまだ戦略的に使いこなせてはおりません。我々の運動をより迅速に、かつ戦略的に市民の皆様に伝播していくためには、対象を明確にし、事業の内容やその目的を地域等へ分かりやすく発信し共感を得るとともに、組織内外における連携をより強固にすることが必要です。

そのためには、組織の価値を高めるための先輩諸氏も含めたインナーコミュニケーションや各委員会だけでなく報道機関など関係諸団体と連携を取りタイムリーに運動を発信することが求められます。これまでの広報戦略を多角的に検証し、その上でしっかりとストーリーを創造して情報を発信し効果的な広報を行います。泉青年会議所として一年間のゴールをしっかりと描き、会員一人ひとりが共有した上で全員が広報担当者だという意識を持ち発信を行っていくことで、我々の考えや事業を広く効果的に発信を行って参ります。

スケールメリットを活かすための挑戦

私は2015年の入会以来、泉青年会議所内での活動でも多くの機会を得られ自己の成長に繋げてきましたが、より多くの成長の機会を得られたと感じたのは出向や各種大会への参加です。青年会議所は100を超える国が加盟し17万人以上の同志が世界におり、全国には691の青年会議所と3万人近い同志が各地域で運動を展開しています。それら青年会議所のスケールメリットを活用することで更なる成果が得られるのです。

そして、そのスケールメリットはブロック協議会や地区協議会、日本青年会議所のようにLOM(※1)の垣根を越えて各地から同志が集う出向や国内外で開催される各種大会への参加で最も機能します。積極的に出向や大会へ参加することで、青年会議所の三信条である「個人の修練」「社会への奉仕」「世界との友情」をバランスよく積み重ねられ、青年会議所の使命であるより良い変化をもたらす力を青年に与えるために発展・成長を遂げることができます。青年会議所は会員へ平等に成長と発展の機会を提供します。

しかし、その結果や成長は不平等です。なぜならば、それらの機会は自らつかみ取り挑戦しなくてはならないものだからです。是非、機会を逃さず挑戦し個人の成長に繋げてください。2022年度も日本青年会議所をはじめ、多くの出向者を輩出します。出向で得た学びや経験は、個人の成長だけでなく、LOM内で共有することで組織の持続的な発展と運動の進化へと繋がります。挑戦をする雰囲気が生まれるからこそ、運動の力に推進力が増していきます。誰もが活躍できる機会を感じられる運営から組織の進化を図り、誰もが輝く持続可能な組織に繋げて参ります。

変化に対応する効率的な組織運営による運動の最大化

青年会議所は会議が基盤となり、運動を生み出し地域へ展開しています。総会や理事会といった諸会議にはそれぞれ目的があり、その目的の達成や組織や会員にとってより高い効果が得られるようにするためにも、時代の変化に対応するなかにも規律のある組織運営が必要です。組織に規律がなければ、様々なものに無駄が生まれ非効率化し、個々の意識の低下にも繋がり組織運営に支障をきたします。

新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、2020年以降WEBを活用したオンラインの会議システムを活用してきました。システムの使用は会員一人ひとりの限られた時間を有効活用できるため、目的と手段を意識したうえでこれからも時代に即した柔軟な対応で運営方法を検討していかなくてはなりません。そして、厳格な会議運営と効率的な議事進行はオフライン、オンラインともに最低限必要なことであり、脈々と受け継がれてきた組織の基盤がしっかりとされているからこそ、青年会議所の運動が最大限の効果を発揮されます。会員が運動を行いやすい環境を整えることで、地域から共感され信頼される、誰もが輝ける組織運営を実施して参ります。

第52回宮城ブロック大会の開催

本年度、泉青年会議所は2012年以来10年ぶりに第52回宮城ブロック大会を主管させていただきます。ブロック大会は宮城ブロック協議会最大の運動の発信の場であり、主管地である泉の魅力を最大限に発信する絶好の機会となります。社会情勢が変化する中だからこそ地域の持続的発展が求められています。地域資源溢れる泉の魅力とともに、地域の課題解決へ向けた発信を行い、地域の活性化を推し進めます。

そのためにも会員一人ひとりが地域の未来を創る担い手としての当事者意識をもち一丸となって取り組み、LOMの結束力をこれまで以上に高めていくとともに、行政、関係諸団体を含む地域の人たちを巻き込み、大会を構築して参ります。ブロック大会の開催に向け青年らしい発想力と挑戦をする能動的な行動により会員一人ひとりが成長し、組織力が向上され泉青年会議所が更なる発展に繋がります。地域、LOM、参加していただける志を同じとする仲間の為に泉青年会議所らしいブロック大会を実現し、誰もが輝く持続可能な社会を目指して参ります。

結びに

泉青年会議所は、これまで創始の精神を引き継ぎ英知と勇気と情熱をもち運動を展開して参りました。いつの時代も明るい豊かな社会の実現に向け先輩諸氏が挑戦してきたからこそ、今の私たちがあります。今の私たちは家族、会社、地域の支えがあって活動が出来ています。周りへの感謝を忘れずに、40歳までという限られた時間があるからこそ、自らに重荷を課し、自ら進んで難局に挑戦し続けましょう。挑戦は必ず個人の成長に繋がり、まちの発展に繋がります。今しかできない、我々だからこそできることを見極め、変化を尊重し、新たな価値を生み出すために、組織や立場を超えて協働し率先して行動に移すことで多様性のある誰もが輝ける持続可能なまちを築いて参りましょう。

第49代理事長職の機会を与えていただきました会員の皆様と先輩諸氏、また会員一人ひとりを支えていただいている家族と企業の皆様に心より感謝をし、会員の為、地域の為に覚悟を持ち全力で挑戦していきます。

新しい挑戦には苦難が待ち受けています。しかし、それに恐れずに勇気を出し行動してください。行動することで成長し、自分自身の目的を見出し、自ら課題を克服し、能動的に変われるようになれます。その成果は青年会議所だけでなく、社業や地域、家庭とあらゆる所で良い変化へ繋がります。2022年度も多くの機会を得て果敢に挑戦して参りましょう。

2022年度 理事長 七海拓也